カーブフィッティングのシステムを作ってみました

株式のシステムトレードを構築する際によく「カーブフィッティングに注意しなければならない」と言われます。今回はカーブフィッティングになるというのはどういう事なのか考えてみたいと思います。

1つの例としてある単純なゲームで考えてみます。表が50%、裏が50%の確率で出るコインを投げ、表が出たら勝ちで等倍返し、裏が出たら負けというものを考えてみたいと思います。

これを5000回繰り返し行ったとして、その結果からシステムを構築してみようと思います。5000回の試行はエクセルのランダム関数を使用して0~0.5未満を表、0.5以上を裏としました。

5000回の試行の結果、表が2518回、裏が2482回出現しました。5000回もすれば、ほぼ確率通りで半分ずつの出現割合になりますね。

さて、ここで「7回連続裏で負けた場合のみ次の試行で勝負する」というシステムを考えたとしましょう。7回も連続で負けていればそろそろ次は勝ちそうという考えです。

その結果、7連敗している状態での次の勝負は24勝16敗という結果が出ました。8つも勝ち越しており、上々の結果です。

ちなみに5連続負けから8連続負けまでの一覧表では以下のような感じです。

連続裏の回数 5 6 7 8
次の勝負も負け 84 40 16 4
次の勝負は勝ち 82 44 24 12

5連敗ぐらいならよく起こりえるので、次のゲームの勝敗もほぼ互角なのですが、7連敗、8連敗もすると勝率が良くなっています。

「よし、これで7連敗するまで待ってから、勝負しよう。」実際にカジノでルーレットなどをしていて7回連続赤なら次は黒にかけるというようなことをする人もいます。

果たしてこれで儲けることが出来るでしょうか?

次の5000回の試行を見てみましょう。ランダム関数を一度動かすだけでできます。その結果がこちらになります。

連続裏の回数 5 6 7 8
次の勝負も負け 56 28 13 4
次の勝負は勝ち 75 28 15 9

勝率は落ちていますが、15勝13敗でまだ何とか勝ち越しています。

さらに次の5000回ではどうでしょうか。

連続裏の回数 5 6 7 8
次の勝負も負け 76 37 19 12
次の勝負は勝ち 83 39 18 7

何と負け越してしまいました。ここの5000回試行では12連敗と15連敗が発生しているからです。

・・・さてここまでくだらない私の記事におつきあいいただきましてありがとうございます。賢明な読者の皆様はもうとっくにお分かりだと思いますが、このゲームは50%の確率で勝ち、等倍返しなので、期待値は0.00であり、どんな状況になってから勝負しようが、次に勝つ確率は50%です。

よって、「このゲームをしても期待値が0なので、儲からずやるだけ時間の無駄」という事で最初からやらない方が良いという事になります。

もしくは、表が出る可能性を高める工夫が出来るのか?という点のみを考察することはあり得るのですが、普通は難しいことなので、このゲームで儲けることはできないという事になります。

言うまでもなく、このゲームの過去の成績を検証してシステムを作ってもその「すべてがカーブフィッティング」となってしまいます。

たまたま勝率のよかった箇所や法則を探しだしても単に良い所取りをしているだけにすぎず、このゲームでシステムを作ることは不可能というわけですね。

では株式はどうでしょうか?株式では10連騰すると次の日下落する可能性は高くなっているかもしれません。なぜなら株式はコイン投げのような機械的な試行ではなく、そこに参加している個人投資家や機関投資家の思惑が働くからで、10連騰もすれば、「そろそろ下落しそうだから売ろう」とか「利益をいったん確定しておいた方が良いだろう」と考える人が増えるという事が予想されるからです。

私がブログでよく書いている「そのルールにどのような意図があるのか確認する必要がある」というのはこの事を意味しています。

「たまたま指数を振ってみたら成績の良い箇所が見つかった」というのはお宝の地図を発見した可能性はあります。ですが、良い成績になっている理由が何なのか、これを突き止めないでよく分からないまま運用してしまうと、それはこれまで偶然良かっただけ(カーブフィッティング)の可能性があります。勿論自分がわからないだけで本当は市場には意味のある事象が発生しているタイミングだったのかもしれず、将来も儲かる可能性はあります。

ただ、それはギャンブルに近くなってしまいます。

イザナミは2000年からの15年分にも及ぶデータを使って検証できますが、それでも3500回程度です。5000回の試行でも前述したぐらいの偏りがでるものです。3500回程度で成績が良かったら、将来も大丈夫と考えるのは危険と言わざるを得ません。ましてや株式市場の状況もこの15年で大きく変わっています。

繰り返しますが、システムの構築には、市場の意図を考慮する必要があります。市場は意図がある生き物のようなものであるからこそ、過去のデータから将来起こり得ることの再現性が取れるのだと思います。

ですので、完全機械のゲームではなく、イカサマをしているギャンブルの方が実は勝ちやすいという発想にもなる訳ですね。システムつくりの時にはこの点に注意することをおすすめします。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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