売り戦略を作ってみました

週末いかがお過ごしでしょうか?Sandです。

私が『株システムトレードソフト イザナミ』を使って現在運用しているシストレの戦略は、すべてが買い戦略でした。基本的には株は買って売るのが正着だと思っています。しかし、今月のような下落相場はどんな年でも数カ月以上は必ずあると思います。その時に備えて少しは売りから入る戦略も必要と思っていました。そしてやっと運用できそうな戦略の構築ができました。

今日は、戦略を構築するにあたって私が考えたことなどを書きながら、この戦略を少し紹介させていただきたいと思います。皆様の戦略構築の参考になればうれしいです。

戦略方針を決める

まず売りの戦略を構築する時の大方針を以下のように決めました。

1.下落相場の時のみ稼働し、利益を出せる戦略であること

2.ドローダウン(DD)の低い戦略であること。初期資金の20%以下には抑えたい。

先ほども書いたように、基本的には買い戦略をメインでやっていきたいと思っています。よって、上昇相場で空売りの戦略は必要なく、買い戦略が苦戦する事が予想される下落相場でのみ発動する戦略で十分だと思いました。それなら、上昇相場で資金を取られる事もありません(何気に重要だと思います)。下落相場時の買い戦略のDDを補強して、資金全体を安定させるようなイメージですね。

そのためにはDDが低い戦略であることも重要だと思います。買い戦略がドローダウンに突入している状況だと思うので、この戦略までDDになっていたら、資金繰りも厳しいし、何より精神的に凹んでしまいます。なのでそれほど儲からなくても安定した成績が見込める戦略が良いと思いました。

空売り戦略構築は難しい

良い戦略の構築は難しいのですが、とりわけ空売りの戦略は難しいと思いました。その最大の理由は、「貸借銘柄」の選別が必要だからです。信用取引をしたことがある人はうっすらと感じておられると思いますが、空売りができる銘柄はかなり限られているのです。マザーズ銘柄は現在なんと28銘柄しか空売りできません。

システムは、ボラティリティが高い銘柄を上手く使用した方が高い成果が得られると思うのですが、それらは現在マザーズやJASDAQといった新興市場に多いです。実際上昇相場での順張りシステムの主役はそれらと言って良いと思います。

しかし空売りではそれらの銘柄が使えないので、1銘柄で大きな利益率をたたき出すのは難しいです。私は最初気付かずにこの貸借銘柄を無視してシステムを作ってしまい、貸借銘柄で最適分散投資をしたら、成績がものすごく下がってしまい、一からシステムを構築しなおす羽目になりました。皆さんも注意してくださいね。

さて今回私が作った戦略は、「下落」時の「フォロー」をしてもらう「売り」戦略という事で「ゲラフォーS」という名前を付けました。ネーミングセンス全く無しですね(汗)

システムの検証結果は?

さて、まずはバックテストの結果です。

取引回数 平均保有日数 勝率 期待値
5879 2.39 54.72% 1.08
はっきり言ってたいした成績ではないです。バックテストの段階でもっと良い成績のものを作る事が出来ていましたが、貸借銘柄を考慮して作っているので、このような数値となりました。

そして、これで2000年からの14年分で最適分散投資をしてみました。

条件:初期資金:300万円単利、範囲300-600千円で下限値狙いで仕掛ける。もちろん貸借銘柄のみ

取引回数 勝率 期待値 利益率 最大DD(千円)
2032 53.84% 0.96 252% 583
う~ん、イマイチですね(笑)。私の現在の実力ではこれ以上のものを作るのは難しい感じです。株システムトレードのトレジスタで販売しているコキュートス_トレイル(S)コキュートス(S)の方がはるかに優秀です。しかし自分で構築すると、自分の予定している資金設計で最初からシステムをシュミレーション出来るというメリットもあります。

今回でいうと、最大DDは、初期資金が300万円なので、20%以下に抑えられています。また損切りを建て値-10%に設定しているので、-11%以上の大負けが発生する確率が1.2%と低く抑えられていて、精神的な負担を軽減しています。

「損切りを設定しているのにそれを超える損害ってどういう事?」と思われたかもしれませんが、これは言うまでもなく、翌日に大きなGUが発生して損切りが大きくなってしまうケースですね。空売りの場合は、翌日から寄らずのストップ高貼り付き(連続は悶絶ものです)という銘柄だけは避けたいところです。

年度別成績はこんな感じです。

ゲラフォーS年間成績

2005年だけ、マイナスとなっています。これはちょっとルールを変えると全部プラスにすることもできました。この戦略を販売するならば見栄えを良くするため、そのようにするのでしょうけど、私が使うだけなので、その必要はありません。2005年といえば、日経平均は上昇しており、買い戦略はどれも成績が良い年です。この年に売りの戦略はほぼチャラになればそれで充分だと見ています。

自分の目的に合った分散投資をしよう

さて、次に分散投資を変えるとどうなるかを検証してみました。

条件:初期資金:300万円単利、範囲300-600千円で上限値狙いで仕掛ける。貸借銘柄のみ

取引回数 勝率 期待値 利益率 最大DD(千円)
1884 54.09% 1.00 321% 873
システムは全く同じですが、資金設計を変えるだけで結構差が出ます。初期資金の10%付近で仕掛けるか、5%付近で仕掛けるかの差で利益率は70%向上し、儲かるのはこちらの方が儲かります。しかし最大DDが300千円近くも上がってしまいます。それなりのリスクがあることを意味していると思います。

条件:初期資金:300万円単利、範囲200-500千円で下限値狙いで仕掛ける。貸借銘柄のみ

取引回数 勝率 期待値 利益率 最大DD(千円)
2121 54.27% 1.01 197% 453
今度は1銘柄当たりの取引額を引き下げてみました。今度は逆のパターンになっていることが分かります。わずかながら取引回数も増えているので、より分散しているのは良いのですが、シグナルが少なく資金が余ってしまう日が多くなり、利益は下がってしまうという事だと思います。

条件:初期資金:300万円単利、範囲100-300千円で下限値狙いで仕掛ける。貸借銘柄のみ

取引回数 勝率 期待値 利益率 最大DD(千円)
1823 54.47% 1.03 104% 384
それを顕著にしたのがこの表で、DDはさらに低くなりますが、上限300千円では取引できない銘柄も多くなると思われ、取引回数が減ってしまい、資金が遊んでしまっていると考えられます。

このように資金設計ができるのがイザナミの大きな特長で、自分の許容できるDDを考えながら、色々と資金を動かしてみて、試してみれば良いと思います。

さて、たいした事のない戦略ですが、それでもこの戦略は私が考える優位点がいくつかあります。

・仕掛けには逆指値を使わないので、スリッページを心配しなくてよい(損切りはやむなく使っていますが、0.5%をかけています)。

・外部指標も使っていない(売り戦略では難しいことだと思います)ので、前日に発注作業ができる。

システムは継続して使っていけるかどうかが非常に大事です。その点では使い勝手のよいものになったと思っています。現在はソロスの意に反して(笑)日経平均は上昇する事を予想しているので、最初は出番が少ないかもしれませんが、とりあえず運用開始してみようと思います。

最後にご参考までに、売り戦略を構築したければ、オシレーター系の指標はかなり大事だと思います。買いすぎを示す指標を組めば、方向性は見えてくるのではないでしょうか?最初はとっつきにくい系統の指標ですが、試行錯誤しながらやれば、勉強にもなって一石二鳥ですね。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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