こんばんは。スナオカです。
今回は銀行の営業マンの内部情報から得られた内容です。
日本人は「まじめに働くことが美徳である」という教育を受けているため、投資に疎い人が多いです。
そのような人が定年を迎えるときに大きなリスクに直面します。
それが「退職金を運用しませんか」という銀行の営業です。
現在ほとんどのサラリーマンは給与を銀行振り込みで得ていると思います。そして定年になった時の退職金も銀行振り込みとなるケースがほとんだと思います。
銀行は皆さんが思っている以上に預金者のお金の動きに敏感で、大きな入金があれば、それが何かをすぐに調べ上げます。普段の給与の入り具合もチェックされている可能性もありますよ。
そしてめでたく定年を迎えたときに、給与口座になっている銀行からこんな電話がかかってきます。「ご定年おめでとうございます。ついては当店の支店長がご挨拶を申し上げたいのでお邪魔させていただいても良いでしょうか」
銀行以外にお勤めのサラリーマンで銀行の支店長と面会したことがある人ってどのぐらいいるでしょうか。私は不動産投資を始めるまで銀行の会議室に入った事すらありませんでした。
多くの方は同様だと思います。そこで支店長という偉そうな人(笑)が丁寧にあいさつに来るのです。ちょっと定年を誇らしく思い、偉くなった気分になるのも分かるような気もしますね。
支店長に持ち上げられたところで、「退職金をそのまま口座にいれたままにしておくのは勿体ないですよ。当社の投資信託で賢く増やしませんか?」と営業をかけられます。
「確かにそのままにしておくのは勿体ない。少しでも増やせば良いな」と思うのが普通の感覚だと思います。
そして銀行の勧められるままに投資信託などの金融商品を購入してしまうのです。
ここまでお読みいただき「えっ?何か問題なの?」と思っておられるならとても危険です。
この状況ではほぼ間違いなくこの退職金は増えるどころか目減りしてしまいます。
なぜか。
この時銀行が勧めていた金融商品は、その預金者のことを考えて提案されたものではなく、その時の金融情勢やトレンドなどを考慮されたものでもなく、単に「銀行が自分の営業成績を上げたい商品」に過ぎないのです。
銀行には営業ノルマがあります。そのため預金者にその金融商品を買わせようと一生懸命になります。しかし現役のサラリーマンはそもそもあまり貯蓄がない上に、変な商品を買わせると、解約されたのちに、給与口座を変えられる恐れがあります。
そうなると営業はマイナス点となります。
そのため、まとまったお金をもち、しかもその運用をしあぐねている定年退職者は格好のターゲットになります。
「でも投資信託ならそれなりに増やせるのでは?」と思われるかもしれませんが、90%以上の確率で損します。
何故かというと、そもそも運用益がでるファンドが少ないです。また運用利益が出たとしても、このような金融商品にはその利回りを相殺させてしまうぐあいの手数料や管理費などがかかる事が多いからです。
手数料は0.5%です、とかの説明ぐらいだと、たった0.5%と思ってしまいがちですが、株のトレーダーならわかると思いますが、0.5%は現在ではあり得ない高い手数料です。
「管理費はその時の資産総額の0.3%です」と言われると小さく見えますが、とんでもない高さです。運用益の0.3%なら良いですが。
そのうえ、多くの金融商品が外貨建てになっており、為替の変動リスクがあります。そして為替損が出れば、「国際情勢が悪いので仕方がない」と言われ、逆に差益が出ても「手数料がかかる」などと言われなかなか引き出せず、また解約手数料が高かったりして結局悪くなるまで持たされたりします。
最も重要な概念は、銀行の営業マンは金融のプロではないという事です。彼らは金融商品を売り込むプロです。ここを誤解しないようにしたいものです。
多くの日本人はそれまでまともな資産運用をした経験がないために、全く知識を持たずにやってしまうのであっさりと騙されます。それまでにちゃんと運用経験を積んでおけば、自分のライフスタイルや退職金の使用用途に見合った商品を選ぶ眼が備わってきます。
その状態で銀行としっかりとしたやり取りを行って、初めてまともな資産運用ができるようになるのはないでしょうか。