イザナミでデイトレのシステムを作る時の注意点

秋深し、いかがお過ごしでしょうか?Sandです。

今回はデイトレのシステムトレードについて書いてみたいと思います。

私は最近デイトレのシステムを1つ完成させたばかりなのですが、システムを開発していて思うのは、徐々に保有期間の短いシステムになってきているという事です。

以前は保有期間4日~1週間程度のシステムもありましたが、それが保有期間3日、2日とどんどん短くなっていき、私が運用しているシステムの中で保有期間が3日以上になりえるものはキュルZUやボラタン系などシステムトレードを始めた初期に作成、カスタマイズしたシステムばかりになってしまいました。

イザナミで検証すればすぐ傾向としてわかりますが、保有期間を長くすればするほど、勝率や期待値は上昇する事が多いです。システムトレードでは気分で行う適当トレードと異なり、テクニカル的指数を使って反発しそうな局面、上昇しそうな局面をとらえようとしているので、ある程度我慢して持っていれば好転する事が多いのかもしれません。

但し、全体の地合いが大きくうねっている場面では、個別株がいくら指数的に良い局面でも、全体地合いに引っ張られてしまうため、保有日数が長ければシステムの成績が激しく乱高下する事が多くなります。

また保有日数が長いと、保有中は資金が拘束され新規の仕掛けが出来なくなるため、資金設計がまずいと、バックテストと最適分散投資の結果が大きく異なる危険があります。

バックテストと最適分散投資の結果の差が大きいという事は、以前の私はあまり気にしていませんでしたが、今ではカーブフィッティングの可能性を助長する可能性が大きいので、気にするようになりました。ルール構築の段階でさえカーブフィッティングになっているかもしれないのに、最適分散投資でそれを増幅してしまう危険性があるという認識です。

その点保有期間が短いシステムは、勝率や期待値を高めるのが難しいですが、最大DDは抑えられる傾向にあります。理由は先ほど書いた事の逆になるという事ですね。

そしてデイトレまでくると資金設計は非常に楽です。なにせストップ高やストップ安で手仕舞い出来ないとか、引け成りが成立しないという事はありますが、基本的にはその日のうちにトレードが完結し、資金が全額戻ってくるので、1銘柄当たりの仕掛け金額をしっかり決めてやるだけで、ほぼ資金設計ができてしまいます。

さらにインターネットの普及により情報伝達速度が速くなると同時に取引方法や制度もどんどん変わり、ここ最近では2013年からかなり傾向が変わっていると思っていて、その2013年以降現在までデイトレのシステムは非常に有効に機能すると思っています。

しかし残念ながらイザナミはデイトレのシステムトレードにはあまり適しているとは言えません。なぜならイザナミの検証データは日足になっているからです。本来イザナミは1週間以内の短期スイングトレードが最も適しているのでしょうね。

よってデイトレのシステムを作る場合は少し工夫してあげる必要があります。

仕掛けの部分はスイングトレードと変わりません。優位性のある条件をいかに構成する事ができるかに腐心すれば良い事になります。

問題は手仕舞いです。先ほども書いた通り、イザナミは日中足には対応していない事が問題となります。手仕舞いで完全に検証が出来るパターンは限られています。以下のようなパターンは検証できると思います。

どのような仕掛けパターンであっても、手仕舞いが当日引けのみなら検証できます。

仕掛けが寄り成り、寄り差しの場合は、高値売り抜け(もしくは安値損切り)手仕舞いとそれが出来なければ当日引けで手仕舞いというケースは検証できます。以下のような表現になると思います。

高値手仕舞い

そして仕掛けが寄り成り、寄り差しであっても、高値売り抜けと、安値損切りの両方を行う検証は出来ないと思います(出来るという方は教えてくださいませんかm(_ _)m)。

下図のように作れば出来るように思えるのですが、これではできません。

両方手仕舞い

(ちなみに損切りの強制決済値はスリッページを考慮して0.5%程度は悪化させておくべきと思います)

この場合は、もし高値条件に合致すれば取引はすべて利益確定となってしまいます。しかし実際のトレードでは、寄り付きで仕掛けた後、利益確定ポイントが来る前に下落してしまい損切りポイントに到達してしまう事(その後高値が手仕舞い条件に達する)も十分考えられます。これだと損切りしていることになるはずです。

試しに利益確定と損切りの順番を逆にして検証すると、結果は一気に悪化します。いうまでもなく、安値が損切りポイントを下回っているものはすべて損切りした事になってしまうからです。

このように高値が利益確定ラインより高く、安値も損切りラインよりも低い動きをした銘柄は、リアルトレードではどちらが先にきているのか日足では分かりませんが、イザナミの検証上は、前段に置いた条件がヒットしてしまいます。

なお、これらの図のような手仕舞いルールを組んだ場合は、ルールの基本設定で、「stop高/stop安で取引が出来ない場合を考慮に入れる」のチェックを外しておく必要もあります。

基本設定

普段このチェックを外すことはまずないと思うのですが、ここを外しておかないと、ストップ高/ストップ安で終えている銘柄の検証結果はおかしなことになりますので、注意してくださいね。

いかがでしょうか。デイトレのシステムは資金設計が楽で、DDが小さい(資金の変動幅が小さいと言った方が良いかも)というメリットがあり、システムトレードの幅を広げる意味でも私は有効に使いたいのですが、検証には注意をする必要があります。

せっかくできたシステムの検証が、リアルトレードの現実を反映していないと、これはカーブフィッティング以前の問題ですから、注意したいですね。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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