桜咲く春の週末、いかがお過ごしでしょうか?Sandです。
年度も新しく変わり、春から心機一転システムトレードに取り組もうとお考えの方もおられると思います。しかし私からは現在、逆指値ありの順張りのシステムは危険といわざるを得ないと言う事を書いてみたいと思います。
先日キャンドルSFの運用を停止しました。このシステムは2014年には私の主力の順張りシステムとして大活躍し、昨年の収支プラスに大きく貢献してくれたシステムでした。
しかし今年に入って2月末から悪夢の11連敗を喫し、その後もさえない動きが続き、さらに私にとっては衝撃的とも言えるデータを見て運用を停止しました。
そのグラフをいきなり出します。
これは私が運用を開始した2014年4月からのキャンドルSFの運用における資金の推移を示したもので、緑はイザナミおなじみの資金挙動グラフですが、青は私がその期間の実運用における資金の推移を無理やり当てはめてみたものです。
途中資金設計を変えたり、わずかなメンテナンスをしたりしているので、動きが完全に一致していないのと無理やり時間軸を合わせているのでちょっと不自然に見えるところはご容赦ください。
一目瞭然ですが、イザナミの検証結果と実運用では非常に大きな乖離があり、検証上の儲けの半分しか儲かっていません。この事を当然私は認識していました。しかし改めてしっかりとデータを合わせてみると、この乖離の大きさには驚きました。
しかし問題はそこではないのです。
問題は2015年の運用成績で、検証上は儲かっていないもののトントンになっているのに、実運用はすさまじい勢いで下降を続けていると言う事です。
私は儲かっているときは検証上よりは儲からないのは仕方がないとしても、そうでないときはそのかい離が小さくなると期待していたのです。冷静に考えればそんなわけないですね。
と言う事は、検証上のDDに対して実運用のDDは倍近くまでに膨らむ可能性があります。これが怖くなりまだ過去の最大DDを更新してはいないこの時期に運用を停止する決断をしました。
さてそれではこの乖離はどこから来るのでしょうか?当ブログの読者様であればお分かりだと思います、その一つの理由はスリッページにあります。
まずは「イザナミのスリッページの設定が甘いのでは?」と思われると思います。検証では0.8%としており、確かにあまい設定といえそうです。
しかし実運用における平均スリッページは0.79%であり、ほぼ一致しています。
これにはひとつ理由があり、私はトリガーがくるとその値から+2%の値で指値注文するという方法をとっていました。よって最大スリッページは2%に抑える事が出来ます。
しかしこの方法は大きなスリッページが発生後にそのまま上昇してしまった銘柄を取る事ができません。これがこの資金の乖離を招いています。この機会損失だけで実にここまで大きな乖離を生むのだと思いました。
それならトリガー後に成り行きで注文したら良いという方もおられると思いますが、それは一つの考えとして有りなのですが、それでも乖離は生じます。それは、特大スリッページ発生後にそのまま上値(ストップ高)貼りつきで特買いになってしまうケースで、このケースでは比例配分しか買えません。
またこれだと平均スリッページは最低でも1.5%を見なければなりません。これはスリッページ対策を施していると自負しているCHAS(成り行き買い)ですら実績の平均スリッページは1.5%あるからです。
さらに大きなスリッページで掴んでしまうとその後下落した場合の損害が非常に大きくなり、これは精神的にかなりきついです。特にシストレ初心者にはまったくお勧めできません。
とどめにここ最近は他のブログでも散々言われているように翌日にGDする銘柄が非常に多くなっています。これは同じような仕掛けと手仕舞いのシステムを運用している人が多くなっている事を如実に表しています。
これらの問題を排除して、現在は儲からなくともトントン(検証では儲かっている必要あるでしょう)のシステムを構築するのはかなりハードルが高いと思います。私はそれに取り組んでいますが、まだものになっていません。
昨年実運用たったの9ヶ月で+80万円、利益率40%をたたき出した戦略ですら、現在はこの有様です。いまからシステムトレードを始めようと思われる方は、逆張りを中心にロットを小さくして始められた方が良いと私は思います。
逆張りも非常に難しいところはあるのですが、その辺は逆張りの神様「hamhamsevenさんのブログ」で勉強して下さい(笑)。下手な本を読むよりはるかに有益な情報満載です。
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こんにちは。いつも更新楽しみにしています。
今年はシストレブログを見ていると、去年有効に機能していた戦略が機能しなくなって運用停止した、という方がちらほらおられるようですね。私も一昨年からヒノカグブースターをアレンジして運用してましたが、今年は明らかに勝率が低く、陳腐化したと思ったので運用停止しました。FVCに3回仕掛けて、いずれも5%以上滑ったのを覚えています。
アベノミクスでシストレが流行りましたが、運用停止する人が増えればまたいずれ機能するようになってくるのでしょか・・・?
Raelさん、コメントありがとうございます。
そうですね。明らかにシストレの人口増加は影響しているし、今の「流行り」が高値ブレークの逆指値と言う事なのだと思います。
そして流行りには廃りが付き物で、いずれは廃れてしまうと思うのですが(それが現在進行中?)、そうなるとまた戻るという可能性も確かにあるように思います。
それでも私は今と全く同じものが使えると言う事にはならないように思っています。というのも現在のような順張りシステムを使っていて損して止める人がいるのと同じぐらいは新たに始める人もいて、いずれはやめる人と始める人が同じになり、いわゆる平衡を迎えると思うのですが、その平衡状態は今ほど機能しない訳ではないかもしれませんが、儲かりもしない(機能しない)状態だと思っています。
「儲かるなら人口が増加し、平衡が儲からない方に動くだろう」というのがその理由ですね。
お疲れ様です。
逆指値戦略はスリッページ問題が悩ましいですね。
自分はバックテスト上でどこまで付加をかけたら期待値が正になるかを各年度で測定し
限界ぎりぎりまでスリッページを許容していますが、なんとか検証結果とトントンです。
もちろん見逃しホームランもそこそこありますが、寄り天ジャンピングキャッチも避けられて
これがイーブンってところです。
私はすべての順張り戦略で1泊二日型ではなく保有日数が5日程度なのですが
今年も特に不調といった様子はありません。
分足を見てて思うのですが、大幅上昇後の翌日寄り付き売りに関して利益を取れた
ケースにおいても、その後さらに跳んでいくことが多くて、その面でも寄り付き売りは
不利になっているなぁと感じております。
初めまして!
いつもブログ見させて頂いてます。
今スリッページ問題で考えていますが、
スリッページ対策したシステムでも1.5%も滑べるとは知りませんでした!
単純に手数料設定の方で1.5%負荷をかけて
検証して見ないといけませんね!
これからも応援しています。
山田太郎さん、いつもコメントありがとうございます。
私の答えの一つがありますね。保有期間5日!とはすごいですね。ふつうはDDがかなり大きくなる懸念があります。相場判定と、シグナルの厳選が必要になりそうです。
ロスカットも入れているとは思いますが…。
寄り売りの後にさらに跳んでいくことも見られますが、見極めも難しく、「尻尾はくれてやれ」と私なんかは思っています(笑)
もんちゃんさん、はじめまして、コメントありがとうございます!
私のスリッページ対策がしょぼいだけかもしれませんが、昨年5月からの実績で160回ほどの取引実績の平均で1.5%となっています。ほとんどは1%未満なのですが、たまに5%以上の大滑りがあると平均を持ち上げてしまいますね。また0%が連続で続く時と大滑りが連続で続く時があり、なんらかの傾向があるのかもしれませんが、まだ分かっていません。
ちなみにイザナミのバックテストの段階で、仕掛け執行のアイコンの中でスリッページは設定できますよ。
応援ありがとうです(^^)
Sandさん もちろんロスカットありますよ~
実はあまり難しく考えなくてもいいのですが、保有日数が長いのは
大型株(売買代金100億以上)のトレンドフォローだからです。
マザーズ銘柄と違って1日1~2%しか動かないものですから(笑)
問題は新興中心でやってるときよりすごくつまらなく感じることかもしれません。
下手に回転あげようとすると損失は増えがちですね
あ、追加ですが
もちろん東1限定ってわけではないので
たまには値動きの荒い銘柄(イナゴ系?)に仕掛けることもあります
やはりそうでしたか。保有期間を伸ばせば自然とそうなりますよね。
それにしても100億とはすごいですね。超大型株ですね。
私も方式は違いますが、東証1部の大型狙いの順張りを開発中です。
大きな利益にはならなくても着実な戦略というものも大事ですよね。
・・・イナゴ銘柄も大事(好き?)ですけど、バランスが大事ってことなのでしょうね。