販売ルールのカスタマイズ例

シルバーウィークも半ばですが、良い休日を過ごされていますか?Sandです。

前回はスイングキュルLBの再活用というテーマでしたが、今回は同じスイングキュルシステムの順張りであるスイングキュルLUのカスタマイズについて書いてみようと思います。

スイングキュルLUは私がシステムトレードを始めて最初に購入した販売ルールで、しばらくは順調に運用できていましたが、途中からかなり苦戦するようになったことと、DDが非常に大きいのを少しでも何とかしたいという思いで、昨年12月に大幅なカスタマイズを実施しています。

その時の様子を思い出しながら書いてみようと思います。残念ながら販売ルールはほぼすべてが(程度の違いはあっても)カーブフィッティングされており、これを外してうまく運用するためのカスタマイズするヒントになればと思います。

さて、まずはスイングキュルLUの元ルールで検証をしてみます。

バックテストの年度別の結果です。

元システム(バックテスト年度別)

もう既にマイナスの年が3年もあります。リリースされる前も2年はマイナスというのは販売ルールでは非常に珍しいと思います。

続いて最適分散投資の結果です。150万円、レバレッジ2.00で27万円下限に仕掛けています。

元システム最適分散

全体結果はまあまあ、利益率1100%超えは昨今の販売ルールとしてはしょぼいですが、十分な利益率です。ただし最大DDの大きさは相当です。

年度別でみるとこんな感じです。

元システム最適分散年度別

2014年はマイナスですが、今年はプラスです。取引回数は年間150~300回以上と非常に多く、薄利多売で儲けていこうというスタンスです。

グラフにするとこんな感じになります。

元システムグラフ

残念ながら2013年の前半に大儲けしたのち低迷し、現在も最大DDを更新中です。こうしてみるとやはりカーブフィッティングされていたのかなと思われても仕方ないかと思います。

さあ、私はこのシステムを2年前から運用しているのですが、私は100万円以上儲かっています。という事はカスタマイズの方向はまあまあいい方向に出来ていると思います。

このシステムの特徴を簡単に書くと、このシステムは高値圏の順張りシステムで、高値更新後のさらなる上昇を狙うシステムです。そして最大の特徴は仕掛けが翌日成り行き仕掛けという逆指し仕掛けが全盛の現在にあって異色(時代遅れ?)の存在なのですが、スリッページに悩まされる私にとっては面白いシステムです。

それではカスタマイズの根幹となった部分を公開します。

元システム(マスク付き)

これは元ルールの条件です。条件の数もなかなか多いルールだと思いますが、仕掛けが単純で約定率はほぼ100%なので、条件制約で絞るのは当然の流れと思います。

さてひとつだけ部分的にさらしています。この部分、終値がある条件の期間高値の「-6%」より大きいとなっています。私はこの部分がカーブフィッティングになっている可能性があるのではないかと思いました。

先ほど書いたようにこのシステムは「高値更新後のさらなる上昇を狙うシステム」だと理解しています。

高値を更新すると、株価が未知の世界に入って上値抵抗がないので、値が軽く上に飛びやすい、また下側は押し目狙いの抵抗線が出来ているので上昇機運の方が強く、また上昇する時は勢いがあるだろうという狙いだと思います。

それなのに完全に高値更新しきっていない‐6%の範囲も仕掛けに入れているのは、その辺りまでの仕掛けでたまたま結果が良く、利益率が向上しただけなのでは?と思いました。

システムの構築は「こうすれば儲かるのでは?」という内容をそのまま条件に入れて検証してさらに他条件で絞っていくという流れで進めた方がカーブフィッティングの可能性が低くなると思います。

逆に検証結果を良くしようと思って条件範囲をちょこちょこ変える操作をするというのは、危険かなと私は思います。

というわけで、私のシステムでは下図のようになっています。

ZUシステム(マスク付き)

-6%を削除して、純粋に高値更新した場合だけ仕掛けるというものです。キーになる条件と思っているので、順番も3番目に持ってきています。

実際のところ、-6%の位置には押し目になっているケースが存在して、良い結果をもたらすケースがそれなりに期待されるのだと思います。もしそうならば、押し目だけを狙ったもう1つのシステムを作成すれば良いと思います。

さて、これをカスタマイズの中心に据えて、市場別に条件も少し変えて、他の条件もそのまま残ったものはほとんどないぐらいに変えて出来たのが、下の結果です。

ZU最適分散

最適分散投資の結果ですが、例によってトータルの利益率は下がっていますが、期待値が大幅に高くなっており、最大DDも下がっています(それでも高いですが)。

さて、グラフを見ると、こんな感じです。

ZUグラフ

こんないびつな資金推移をする販売戦略は絶対に売れないでしょう(笑)。でも私はこれでも良いと思っています。なぜなら、高値更新後のさらなる上昇を狙うようなシステムは上昇相場でしか機能するわけがなく、過去で行くと2004年~2005年、2013年前半、2014年後半、2015年の春以降しかチャンスはなかったと思っているからです。

その他の地合いの時はチャラで耐えておけばそれで良いと思っています。その時は違うシステムが活躍すれば、全体として儲かる訳ですから。

ですので、キュルZUというシステムは下手すると通年でマイナスになることも承知で付き合っていくつもりで、上昇相場でしっかりとれるかどうかをちゃんと見極めていればよいと思っています。

それに仕掛けが成り行きという事で、陳腐化にはなりにくいのではないかと期待しています。

いかがでしょうか?私は販売ルールの購入を否定していませんが、そのまま使用する事はやめておいた方が良いという考えです。それは今回の例のように検証結果を良く見せるため、ある程度盛った部分が存在し、それらは今後のトレードには役に立たないばかりか、足を引っ張りかねないと思っているからです。

その部分を見つけて削除するなり、条件を絞るなりすれば、運用できるシステムにすることは十分に可能だと思います。何かの参考になればと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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