システムトレードで必要なもの~応用2|資金設計(1)

システムトレードに必要なものシリーズの第5弾として、今回は資金管理について書きたいと思います。

資金管理は応用編と書いていますが、内容としては基本といっても良い非常に大事な要素だと思います。

システムトレードを「自動売買」などと考えているうちはこの資金管理に目がいきにくいと思います。システムトレードは言うまでもなく自動売買ではありません。株式のトレードの関する考えうる限りの事項をシステムに落とし込んで、そのシステム通りにしっかり遂行してこそシステムトレードと言えるのではないでしょうか?

概念的な話が続いて恐縮ですが、資金管理がなぜ重要かと言いますと、これをしっかりしていないと、大事な資金が回復不可能なほどに減少し、株式市場から退場しなければならない危険があるからだと思います。

逆にいえば、資金が尽きることなく、ずっとしっかり売買システムを回す事が出来ていれば、2013年のアベノミクス祭りのようなビックチャンスがやってきて、そのときだけでも資金を増やしていれば、長い目で見て資金はしっかりと増えている(資産運用している)状態になると思うからです。

さらに売買システムの堅牢性を保つためにも重要になってきます。まず今回は、順張りの資金管理について書いてみたいと思います。

もし逆指値の順張りシステムを使っているなら資金管理は逆張りに比べると易しいと思います。

なぜなら、逆指値はある高値にきて始めて仕掛けるので、空振りになる事が多く、全体の地合いが高騰しているからと言って仕掛け銘柄のすべての銘柄が高値更新して仕掛けにいくという状況はまずないからです。

逆指値の約定率は高くても20%ぐらいではないでしょうか?

仮に20%だとすると、平均保有日数日が6日を超えていなければ(平均5泊)、毎日全力で仕掛けていても「すべて保有しており、明日仕掛ける銘柄のための資金が残っていない」という状況になる事はほとんどない事になります(厳密には等比数列の収束計算が必要)。

すなわち約定率(%)×平均保有日数-1日が100未満であれば、翌日仕掛ける金額は残されているという計算になります。

勿論ぎりぎりでは、仕掛け金額に満たない額しか余っておらず、結局仕掛けられないという事になるのですが、それは後述します。

ここで、「明日仕掛ける資金が残っていない」と言うのはなぜ良くないのかと言う事について書きます。

それはイザナミにおいて、バックテストと最適分散投資後の結果の不確かな差異を極力なくすという理由によります。

例えばトレンド判定をしていて「トレンドの初日と2日目以降では明確に差が出て初日が有利だ」と言う合理的根拠(データ上多いと言うだけでは根拠になりません、ご注意を)があれば、初日に全力で仕掛けると言う事をしても良いかもしれませんが、そうでないなら、毎日同じ銘柄数に仕掛け、同じ銘柄数にヒットして、同じような保有日数で手仕舞いが出来る状態にしておく方が、バックテストの結果と差異が少なくなって良いと思います。

バックテストというのはすべての取引をしたと仮定した場合の集計結果なので、もし大量の資金があれば、バックテストと最適分散投資の結果はほぼ一致することになります。

むらなく仕掛ける事になり、システムとしてはそれが一番堅牢になると思います。

ちょっとややこしくなりましたので、例を一つ上げます。

資金300万円、レバレッジ1.0倍で約定率20%、平均保有日数3日(2泊)として、どのような資金設計が良いか考えてみます。

いきなり結論ですが、この場合は仕掛け金額は30万円を上限として、1日の仕掛け銘柄数上限を7銘柄とすると良いと思います。

検算します。7銘柄を仕掛けると平均ヒット銘柄数は1.4銘柄となります。これを2泊しますので、2.8銘柄を常に保有している計算です。

資金300万円で30万円上限仕掛けですから、約10銘柄に仕掛ける事が出来ます。ですので、毎日2.8銘柄を保有していても7.2銘柄に仕掛ける事が出来、最初の設定である仕掛け数上限7銘柄を確保できると言う事です。

勿論最初にDDを喰らうなどすると、微調整が必要になりますが、基本的には安全な資金設計になっていると思います。勿論バックテストでしっかりとした結果が残っている事や最近のイナゴ狩りっぽい動きへの対策など、資金設計以外がちゃんとしているという事が前提になるのは言うまでもありません。

さらに付け加えると、ここまで調べると、1日平均仕掛け数が7~12銘柄ぐらいになるところまで期待値の低いゾーンをカットすると言う事も考えられます。仕掛け数がたくさんあっても仕掛けられないので、仕掛け数を資金設計に応じてカスタマイズするという上級テクニックもあると思いますので、ご一考くださればと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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2 thoughts on “システムトレードで必要なもの~応用2|資金設計(1)

  1. 山田太郎

    お疲れ様です。

    いつの間にかタイトルが変わっていましたが、今日まで気がつきませんでした。

    資金管理は難しいですが参考になるのでありがたいです。

    記事とは関係ないのですが先日からのKLabの動きを見て
    順張りルールを作ったところ、2013年が赤字という
    奇妙なルールが出来上がりました(笑)

    一番の稼ぎ年が2006~2009という今まで見たこと無いパターンだったので
    通常の順張りとは相関なしで良いのですがもうちょっと練る予定です。
    珍しかったのでなんか面白いことが分かるかもしれません

  2. Sand Post author

    いつもコメントありがとうございます。
    昨日タイトルを変えたばかりなので、気づくの早い方ですよw

    ホント変わった順張りですね。2013年は何を買っても勝てるような年だったのに
    確かに良いシステムが出来るかもしれませんね^^

    ギリシャが面倒な事になりそうで明日は期待していたのに
    いや~な手仕舞いになりそうですが、私ももっと頑張らねば!

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