文化の日、いかがお過ごしでしょうか?Sandです。
本日はドローダウンについて書いてみようと思います。いつもこのブログをご覧いただいている方は良くご存じとは思いますが、初めての方にはご存じでは無い方もおられると思うので、ドローダウンについて簡単に説明します。
ドローダウンとは、資金の推移の中で、過去最高となった資金量から、それを再度上回るまでに減ってしまった資金の量や期間の長さを指します。図でイメージすると分かりやすいですね。
この場合、D4が最大ドローダウンで、D2が最長ドローダウンと言う事になります。
システムトレードに係わらず株トレードをしていて毎日常勝というのは非常に難しく、資金を増やしている方でもほとんどの方は、勝ったり負けたりを繰り返しながら資金を増やしています。
私もほとんどの日がドローダウン中となっています。そういう状況なのでドローダウンは良い事ではないですが、防ごうと思って防げることではなく、しっかり管理してやる必要があります。
イザナミでは、検証結果でこのドローダウンを確認できます。ドローダウンには金額の最大落ち込みを示す最大ドローダウンと、最高益更新までに要した日数が最も長かった最長ドローダウンに分かれます。
人によってその許容範囲は違うと思いますが、一般的に最大ドローダウンは準備資金の20%以下、最長ドローダウンは半年以内にするのが良いとされているようです。
ここで私は、ドローダウンを見るときはいつもその形を必ずチェックしています。同じ金額、同じ期間でもどのようなケースでドローダウンが形成されているかをチェックします。これは、最大もしくは最長となっている場所だけでなく、深そうもしくは長そうな場所は全部見ておいた方が良いでしょう。
パターン別に解説してみようと思います。
パターンA:
徐々に資金が増えていたが、ある日からドローダウンに突入し、その後ダラダラと資金が減っていき、底も深く、回復にも長い時間かかっている。
このようなパターンのDDは注意が必要だと思っています。ドローダウンは、いつ来るかわかりません。ひょっとすると運用開始後すぐにやってくるかもしれないのです。
運用開始後にいきなりこのように資金がダラダラと下がっていってしまえば、資金の減少により仕掛け銘柄数も減らされてしまうので、正しいパフォーマンスを得ることがいきなり難しくなります。
仮にうまくスタートを切れたとしても、このようなドローダウンが来る可能性があるシステムだという事をしっかり認識しておかないと、そのシステムを信じることが出来なくなると思います。これが怖いです。
ちなみに私のシステムの中では順張りのキュルZUにこの傾向が見られます。
パターンB:
突然深いDDが現れ、すぐに回復しているケースです。これは逆張りのシステムによく見られる傾向で、突発の悪材料が出て市場がパニック売りを起こすような時に出てきます。
ナイフ掴みと言われる逆張りは、「どの程度の暴落なら無難に反発を捉えることが出来るか?」がシステムによって異なります。
図のように一瞬深いドローダウンを記録しているものは、ほぼ間違いなくその時の暴落で大きな含み損を抱えています。そしてしばらく我慢したのちに反発を得ているという事なので、仕掛けるタイミングが早いという事になります。
ただ、仕掛けのタイミングを遅く(深く)すればするほど臆病なシステムという事になり、通常時にまったく仕掛けがなく、滅多に動かないシステムになってしまいます。
それはそれでリーサルウエポン的なシステムとして1つ持っておいても良いとは思いますが、このようなドローダウンは、あまりに深いのは問題でしょうけど、資金ショートさえ起こさなければ、一応の反発でドローダウンの回復(場合によっては全回復)を見せるので、割り切って運用するという考えが出来ると思っています。
またさまざまなタイプの逆張りを準備しておくことで、様々なタイプの暴落に対して対応できるようになると思いますので、暴落時のご自身の逆張りの状況を把握しておいた方が良いと思います。
パターンC:
このようなドローダウンは、最大ドローダウン金額も大きく、最長ドローダウンも長い期間になっているので、数字だけみると「ダメだ」と判断してしまいがちです。
しかしよくよく見てみると、ドローダウンに突入する直前に大きく儲けており、その儲けがなくなっただけに過ぎないという状況になっていることがわかります。
その後、緩やかに資金が増えていれば、そのひげのような資金の動きがなければ非常に穏やかな運用をしている事になると思います。
このようなドローダウンならば、実際に運用していても悔しい思いはするかもしれませんが、「まあこの前の儲けがなくなっただけだから」と思う事ができ、システムを信じられないという不安感や恐怖感はさほど感じないと思います。
これも実際にキュルZUでみられる動きで、このシステムでは上昇相場の最終局面に現れる事が多いようです。「上昇トレンドは熱狂の中で終わる」という言われ方がありますが、その最後の上昇を捉えて、その次は高値掴みをしてしまうというケースです。
それまでの上昇トレンドでしっかり利益を確保しているならば、私はこのドローダウンは気にしないようにしています。
いかがでしょうか?ドローダウンはそもそもあまり意識しないという考え方もありますし、その許容範囲も個人差があると思います。これは私の考え方にすぎませんので、「それは違う」と思われる方がいても当然だと思います。
この記事で私が言いたかったのは、ドローダウンも数値だけ見て判断するのではなく、どのような状況で起こっているのかを確認した方が、そのシステムの性格を把握し、パフォーマンスを維持するうえでも重要なのではないかという事でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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