皆さん、日々のお仕事お疲れ様です。Sandです。
ネットや書籍で株式の勉強をしていると必ず損切りの重要性が出てきます。損切りは必ず実施しなければならない大事なものである事は間違いないと思います。
しかし、その損切りが実に難しいという事がシステムトレード関係のブログ等でもよく見かけます。実際にその通りで、自分が損切りをする時が来ると「もう少し待てば反発するんじゃないか」などと考えてしまい、損切りできずにさらに深い損失が出て、最悪のケースはそのまま塩漬けになるというものです。
損切りと並び、シストレではドローダウン(DD)にも耐える必要があり、ストレスから無縁の取り組みとは言えません。
この時にそれらを忠実に実行できるメンタル力が必要だとか、メンタル力を鍛えることが必要だと言われることもあります。しかしこれはその前に少し考える事があると思っています。
メンタル力を考える前に
損切りに耐えるメンタル力があればそれで良いというわけではないと思うからです。例えば、100万円の資金で株取引をしている人で20万円の損害が出た時に、「私はメンタルが強いから大丈夫だ」と平気で損切りしたとします。でもこの損害は資金総額の20%にもなります。株式の世界では5回連続で損切りするケースなんて珍しくないので、このままだとこの人は早晩破産してしまう可能性が高いと言えそうです。
以前の私の記事「投資とギャンブルの違い」にも書きましたが、これは結果を支配できていません。ギャンブルと同じです。言ってしまえば、資金100万円で株式を運用する人は20万円の損失に耐えるメンタル力は必要ないということです。やるべきは運用する単位取引額を下げる事だと思います。
一方、資金2000万円で取引している人ならば、20万円は1%に過ぎず、この程度の損切りには耐える必要があるかもしれません。というのは、一般的には損切りが大きければ、仕掛けのサイズが大きいという訳で、リターンも大きくなるのが普通なので、株式である程度の成果を上げるためには、耐えなければならない損切りではないかと思うのです。
勿論「20万円の損切りには耐えたくない、5万円がせいぜいだ」という場合は、それを否定はしないのですが、順調に資金が増えたとしても年間せいぜい数十万円の増加にとどまり、運用率は物足りない感じになることも受け入れなければならないと思います(勿論資金が増加するのであれば、それは難しいことを達成しているわけでとても素晴らしい事です)。
結論1)耐えなければならない損切り額は、その人の資金量に大きく支配される。
自分が必要な損切りの金額とは?
そしてそれならば、「いくらの資金ならいくらまでの損切りに耐える必要があるのか」という問題を解く必要があります。そこで登場するのが、イザナミなどのシステムトレードソフトなのです。イザナミには、初期資金だけなく、1日の最大投入額や、1銘柄の上限投入額等を細かく設定できます。バックテストした自分の戦略にこれらの情報を入力して運用してみて、過去14年の結果で最大DDが自分の初期資金を上回っていない事が大前提です。勿論ぎりぎりでは、運用開始直後に最大DDが来たときに資金がほとんど底をついてしまい、挽回するための資金がないことになるので、最大DDは初期資金の多くても40%以下となるようにするべきだと思います。
1点注意するべき点は、運用は単利で行いましょう。複利のほうが最大DDは大きくなる方向なので、基本的には安全サイドですが、正しく把握するためには単利にしなければなりません。
最大DDが初期資金の40%でもかなり危ないという意見もあると思います。勿論それは否定できません。私の場合は、たとえ40%の資金を失ってもそのままへこたれずに運用を続けていけると思い、この程度にしています(というわけで40%という数字は絶対という数値ではないことをあらかじめご了承ください)。
私の購入戦略で検証してみました
ちなみに私が購入したスイングキュルLUも150万円単利(手数料500円)で、購入した時のままの資金設計で回すと、最大DDは56万円であり、多くの成果を上げているシステム開発者の感覚と大きな乖離はないと思っています。注意したい点として、この最大DDが検証の後ろの方(十分利益が乗っている時)に発生しているとして、もし仮に運用開始直後に発生した場合には同様に56万円のDDとはなりません。なぜなら、初期資金を下回った場合は、仕掛け数そのものを制限せざる得ない訳で、DDは低減される傾向になるからです。よって最大DDが初期資金の40%であっても実際に初期資金から60%まで資金が減ってしまう可能性は極めて低いという事も言えると思っています。
上記スイングキュルLUで最大DD発生日に運用を開始したという(すごく不幸な)ケースで検証してみたところ、この時のDDは34万円まで低減されていました。
以上のようにイザナミで、資金設計まで検証すれば、自分が耐える最大の損切りやDDがどの程度なのか分かります。ここで本題に戻りますと、単純に損切りやDDに耐えるためのメンタル力が必要という事ではなく、それらがいくらになるかを把握したうえで、それらが現実のものになった時に、その通りに行動できるかどうか、そのためのメンタル力が必要だと思うのです。要約すると以下の結論となります。
結論2)システム通りに運用する事が出来るメンタル力が必要。
いかがでしょうか?勿論そのためにはまずシステムが必要なのは言うまでもありません。それすら持たずに損切りの重要性を考えてもその意義は薄く、メンタルを鍛えることも困難だと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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