週末いかがお過ごしでしょうか?Sandです。
先日書いたように、hamさんからかなりの刺激とヒントをもらい、新しい戦略を作成していました。その方針と出来た戦略を少し紹介してみたいと思います。
現在私は4つの逆張り戦略(トラウ改、ボラタン改、ヒノカグ改、ボトレ)を運用しています。しかし9月に実際にヒットしたのはトラウ改だけで、ヒノカグ改に至ってはシグナルすら出たことがありません。ボラタン改のナンピン戦略を作ってようやくボラタン改も少しヒットが出た程度です。
逆張りは本来これでも問題は無いと思います。今年の2月の暴落時や8月の急落時に颯爽と登場して反発狙いのところだけさらっていけば、役目は果たしていると思います。
hamさんもフィルターを掛けてシグナルは選別していると書いておられますが、先日の記事を見て、今までの記事をみて思うにほぼ毎日何らかの逆張りの仕掛けをされています。そしてこつこつ儲かっておられます。ここがうらやましいですね。
そこで今回の戦略方針は、最近ずっと課題としている「シグナルが少ない状況で機能する戦略」としました。暴落時に備えた戦略はもう有るわけで、それらの戦略のフィルターから漏れたシグナルを何とか活用できないかというのが、主なコンセプトです。
この考えは前からあり、実際にトラウ改やヒノボラ改で試しにフィルター外のシグナルをどうにか出来ないか考えてみました。しかしそれらはなかなかうまく行きませんでした。トラウ改は普段からそれなりにシグナルが出ているので、その必要がないという感じで、ヒノボラは、仕掛け条件を厳しくしたり、ルール条件を厳しくしたりしましたが、そうするとシグナル数が激減してしまい、結局コンセプトから外れてしまいました。
そこで今回はボラタン改に目を付けました。ボラタン改は私がイザナミを購入してから初めて自力で作成した戦略で、それだけに自信がなく「2級品」のレッテルを勝手に貼っていたのですが、先日のhamさんの記事を凝視していると、どうもボラタンをもっと磨けば良いような気がしてきました。
ちなみに開発最初のボラタンの検証結果はこんな感じです。
資金設計(700万円レバレッジ無し)も仕掛け金額(100万とかもありました)も滅茶苦茶です。とにかくシグナルが出たら、その時にある資金で目一杯に仕掛けていました。これは論外です。
そこからルール自体も少し見直してすっきりとさせて、シグナルフィルターを取り入れ、資金設計もしっかりと見直したボラタン改が下ですね。
資金設計は200万円レバレッジ1.5倍(検証画面にレバレッジ表示されないのは、優先度上位のナンピン戦略はレバレッジがないためです)と言うリアルな数字で、仕掛け金額も30~60万円下限仕掛けまで落としています。勝率、期待値ともに大きく向上しているのが分かります。儲けの「絶対金額」はかなり下がるのですが、ボラタンのままの資金設計では早晩破産、少なくとも運用できない状態に陥っていたことは間違いないでしょう。そしてさらにこれにナンピンを取り入れて利益の底上げを図ったという記事を先日書かせてもらいました。
ボラタンのナンピン戦略:ボラタンナンは、これも平時でもシグナルが出るようにしています。実際に9月の最初に活躍をしてくれました。
さて、このボラタン改のフィルター外のシグナルを活かす事を考えた訳ですが、実際にフィルター外のシグナルは勝てないのでしょうか?まずはここを検証してみました。
検証画面で、「その他集計」の「ユーザー指定」から特殊データの仕掛け銘柄数を選べばシグナル別での成績が分かります。
やはり差はあり、シグナル数20以上だと勝率、期待値が大きく向上していることが分かります。ですが、このぐらいなら、シグナル数が少ないところも儲からない事もないように思えます。
ちなみに罠があるので注意したい点を書いておきます。シグナル数は全体相場の下落とともに徐々に増えていくのが一般的です。よって最初はシグナル数が低く勝率の低い銘柄がヒットします。そしていざシグナル数が増えて期待値の高い仕掛け時になった時に、それらの銘柄で資金を取られていまい、肝心の場面で仕掛ける余力がなくなってしまうという事が起こります。ここにシグナルフィルターの重要な意味があります。
ということは、余りある資金があれば、フィルターなど気にせず仕掛けていけば全体利益は大きくできます(DDも大きいですが)。しかし「余りある資金」という発想がそもそもおかしいですね。当然ながら投資効率の低下を招くことになります。
さて、話を戻して、限られた資金のなかで、シグナル数の少ないものをおいしく調理するにはどうしたらよいかということを考えました。
日常の大多数はこのシグナル数が少ない日なので、その間、ボラタン改に確保している資金は遊んでいることになります(事実上は順張りなどに回していますが)。この遊んでいる資金を活用するので新たな資金源は必要ないはずで、注意するべきは先ほど述べた罠ということになります。
よって保有日数をボラタン改よりも短くして、資金の回転効率を高め、もう一つはこのシグナルをさらに絞って、代わりに約定率を高める事を前提に、今回作成したのが、ボラタンGNという戦略です。
ルールの骨格は、ボラタンのものを使いながら、仕掛け条件と手仕舞い条件をまったく違うものに変えました。その結果がこちらで、当然のようにナンピン戦略も入れています(笑)
損益レシオがやばい水準ですが、勝率が高くメイン戦略ではないので、目をつぶることにしました。
バックテストの段階で、ボラタン改の約定率が25%なのに対して、ボラタンGNの約定率は51%とほぼ倍になっています。またバックテストの取引回数950回に対して、分散投資結果の取引回数が、606回ですから、かなり多くの取引を拾っているという事になると思います(ボラタン改は20%以下です。)。
コンセプトとして考えていた「まんべんなく取引をする」という目的にある程度合致したと思っています。そして平均保有日数も3.18日から1.58日へ大幅に短くなっていることもポイントです。
いかがでしょうか?本来この考え方は良くないとされている考えだと思います。本来は、「その相場環境に適したシステムを使用する」という事が良いと思います。私も本線は勿論こちらで、順張りにも逆張りにもほとんどのものにフィルターが入っています。
しかしながら、その為には、精度の高い相場判定システムを構築する必要があり、そのうえで、それぞれに見合った売買ルールを作成する必要があります。またはっきりとトレンドが出ている期間と言うのはあまり多くありません。どちらなのか良く分からないような相場もたくさんあり、BOX相場を得意とするシステムと言うのも難しいです。何度か作成を試みましたが、まだ実用に至るものがありません。
取引回数は限定されますが、カーブフィッティングを常に意識しながら、絞った条件で精度よく取引するルールを数多く揃える事で全体資金の運用を安定させるというのも一つのアプローチかと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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