利益の源泉が見えないものは要注意

今日はちょっとシストレから離れて閑話休題です。

先日懇意にしている銀行の融資担当者から「当社の証券部門のアソシエイトと会ってほしい」とお願いされました。

これはイコール「当社の投資商品を購入検討してほしい」と言っているのと同じなのですが、お世話になっている銀行さんですから無下にもできず、お会いしました。

もっともこの融資担当者は私が3年連続で20%の利回りをシステムトレードで出している事を知っているので、「そこまでの利回り商品はありませんけどね(苦笑)」と言ってくれていますが。

紹介されたのは、融資担当者の同期という30代前半の女性アソシエイトで、将来有望な方のようで銀行から投資部門に抜擢されて修業中なのだとか。

ここで紹介された商品が割と面白かったので、概要を簡単に紹介します。

時価総額の大きな株(トヨタ自動車など)との連動型ファンドを購入し、その株が契約日(基準日だったかな?)より60%の株価を維持している限り年6%の配当を支払うというようなものでした。

そしてトヨタ自動車はここ3年で高値から60%まで値を下げたことはないですと言ってきました。そりゃまあこの好景気ですからね。

「60%を割ったらどうなるんですか?」と誰でも聞きたくなる質問をすると、「契約が終わり、出資金は現物株で戻します」というものでした。

この先も緩やかに景気が拡大するか、その銘柄が緩やかに成長することが見込めるなら面白い商品かと思いました。損切りになっても現物株は残りますし。

管理手数料(これ大事)はないという事だったので、どうせ同じ銘柄株を買うのなら、より配当率が高いこの商品を買っておいた方がお得だと思いますね。

最初から購入するつもりはなかったのですが、問題は次の点でした。

「6%の利回りを顧客に出す原資を教えてください」と聞くと、かなりしどろもどろになり、「大手株主企業の値下がりリスクのヘッジとしている商品とのバランスから…」という回答でした。

説明が要領を得ないのであまり突っ込んでも可哀そうかなと思い、深追いはしなかったのですが、私が昨年仮想通貨のHYIPというどうしようもない投機で大損してしまった事の教訓として、この「売る側の利益の源泉の確認」はかなり重要だなと思っています。

当たり前の事のはずですが、私はこれが昨年の失敗までしっかり確認できていませんでした。

これをきっちり考えていれば、今話題のかぼちゃの馬車に引っかかることもありませんよね。

そして今気を付けたいのは、仮想通貨の高利回り商品です。

HYIPは昨年の5月ごろまでに猛威を振るいましたが、昨年5月の仮想通貨バブルですっかり下火になったので、それ以降に仮想通貨の世界に参入してきた人はHYIPの存在や被害を知らない人も多いと思います。

そんななか最近「月利5%が確定」などという商品がよくわからない団体から売り出されているのをよく目にするようになりました。

アービトラージにしろ、マイニング投資にしろ、利益の源泉を追及して本当にこの利回りが取れるのか、という事を自分で納得いくまで確認できない限りはやめておいた方が良いです。

「そんなに儲かるなら自分がやれば良いのに」

この言葉は半分正解で半分間違いだと思いますが、アービトラージなら、自分で世界の仮想通貨取引所を確認してみるぐらいのことはするべきですね。

月利5%を顧客に払うなら、胴元は経費や設備投資に加えて自身の取り分も考えると月利8%とかそれ以上を確保できるシステムである必要があるはずです。

そして仮想通貨のアービトラージはかなり危険です。現在はまだ市場が未成熟なのでアービトラージは確かに存在しますが、そこに数億でも資金を集めて運用する団体が現れれば、当然マーケットインパクトにさらされてパフォーマンスは大きく低下します。

個人で100万円程度でこっそりとやって儲けることが出来る状態ですが、そのようにしている人からすると、迷惑千万な商品でしょうね(笑)。もちろん運用寿命はかなり短いでしょう。

「自分で設計しても出来そう、だけどその時間、資源がもったいない」という場合においてのみこのような投資商品は利用するべきかと思います。もちろん自己責任&資金の一部で。

ご参考にあればありがたいです。

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